姿勢・呼吸・発声レッスンの流れ
根本的に「良い声」にするために、レッスンでは「良いカラダ」づくりから指導しています。私の姿勢・呼吸・発声のレッスンは、初回の場合、下記の順番で行っています。
1.発声のしくみについてレクチャー
「声はどうやって出るのか?」「声はどうしたら大きくなるのか?」「呼吸法の種類」など、一通りの説明を行います。
2.ストレッチでカラダを緩める
ヨガのポーズなどを取り入れたストレッチでカラダを緩めます。共鳴力アップのために欠かせません。
ストレッチをせずに、いきなり呼吸や発声のトレーニングをしても、大半の方が思うように呼吸や発声ができません。日常生活の中でカラダが凝り固まってしまっているためです。
また、良い姿勢を維持するために、適度な柔軟性が必要です。レッスン初期の段階では、下半身・股関節周りのストレッチを多く行います。
3.姿勢のチェック
ご自身の現在の姿勢をチェックします。スマホなどで撮影します。
4.姿勢改善のための胸式呼吸トレーニング
姿勢を改善するために、胸式呼吸のトレーニングを行います。「吸う」ことにフォーカスします。「吐いたら吸える」と言われますが、実は、吐くことの方が難しいのです。
胸式呼吸のトレーニングによって、胸郭が広がるようになり、肺活量も増し、腹筋・背筋などの筋力もアップします。
私はこの方法で、酷い猫背と酷い腰の反りを治しました。首・肩・背中の凝り、凝りによる頭痛、腰痛が無くなりました。そして、劇的に肺活量が増し、呼吸が長くなり、歌唱力が増しました。
5.姿勢のチェック
再度、スマホなどで撮影し、ご自身の姿勢をチェックします。ほとんどの方が、4を経て、変化を感じます。
6.寝転がっての腹式呼吸トレーニング
一般的なボイストレーニングでは、立ち姿勢のまま、いきなり腹式呼吸を身に付けるように教えられます。
しかし、立ち姿勢の状態で、いきなり腹式呼吸ができるようになる人は皆無です。
私は、必ず寝転がった状態から、腹式呼吸のトレーニングを行います。
また、読む・話すトレーニングを積み、腹式呼吸ができていると思っている方でも、大半の方が、不十分な腹式呼吸になっています。
単純に腹式呼吸をするだけであれば、寝転がれば、多くの方が腹式呼吸になります。
しかし、発声に活かすためには、越えなければならないハードルが幾つかあります。
その際、お腹のインナーマッスルの力が重要です。4の姿勢改善のための胸式呼吸トレーニングで鍛えることができます。
7.発声トレーニング
寝転がった状態で腹式呼吸をした後、寝転がった状態で発声トレーニングに移ります。この段階で、初めて声を出します。声を出すための、準備が大切です。
その後、立った状態での発声トレーニングに移ります。お腹で支えることや共鳴を体感していただきます。
ちなみに、初めてのレッスンで、腹式呼吸を十分に活かした発声ができる方は、天才です。
そのくらい、難しいことですが、なるべくわかりやすくお伝えすること、体感していただくことを大切に、レッスンを行っています。